Naoko Tosa は、主に音と映像の関係から新たな価値を創出することに関心をもつニューメディア・アーティストです。初期作品の『An Expression』(1985)は、ビデオ映像の輝度からリアルタイムに音を生成するもので、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵されています。日本の伝統文化にはさまざまな「パターン」があります。彼女は、流体に音の振動を与え、その形を高速カメラで撮影することで、生け花のパターンである非対称の三角形が生成されることを見いだしました。こうして「Sound of Ikebana」という映像作品を制作しました。この作品は、彼女が文化庁の文化交流使を務めた2017年4月の1か月間、ニューヨークのタイムズスクエアで毎晩3分間上映されました。現在、彼女は自身のデジタル・ニューメディア・アートを用いたファッションの開発を進めています。
Naoko Tosa のブランドは、デジタル捺染技術を用いてニューメディア・アートをファッションへと転化させている点に特徴があります。毎秒2000フレームの高速カメラで、肉眼では見えない赤ちゃんの産声や鼓動から生まれる形を捉えます。その映像の1フレームを、エプソンのデジタル捺染技術でファッションへと仕立てます。東洋的な禅の雰囲気を喚起する生け花をモチーフにしつつ、ファッションはスタイリッシュで無国籍的であり、究極的には“シンプル・イズ・ベスト”を体現します。これまでにない新しい風を吹き込むでしょう。公的な場でも私的な場でも着用でき、「Power Fashion: Sound of Ikebana」と呼ばれます。さらにジェンダーフリーで、あらゆる年代が着用できます。

STORY
イベントは4部構成で、四季をテーマとして土佐アートを用いて日本の伝統的な四季の表現とそれが欧米の四季の表現と融合する様子をお見せします。
春:命の輝き
春は命が生まれ輝く季節です。洋の東西を問わず、人々はそれを花に託して愛でます。日本を代表する桜や欧米で愛されているアイリスをデザインとしたファッションを纏ったモデルがパフォーマンスをお見せします。
夏:先祖への祈り
夏は自分たちの神や先祖への思いを祈りに託す季節であり、この行為も洋の東西を問わず人々に共通しています。日本の祈りを祇園祭によって、欧米の祈りをベートーベン交響曲7番によって表現します。
秋:実りの祝い
秋は人々の働きの成果である実りを祝う季節です。ここではそれを西洋のダンスと日本の手拍子で表現しています。日本の手拍子は欧米のミニマルミュージックへと変化していき、日本と欧米の文化の融合を表現します。
冬:戦いの記憶
冬は過去の戦いを思い出し、平和への祈願へ変える季節です。武家の戦いを描いた平家物語の代表的な場面である「敦盛」が討たれるシーンが演じられます。同様の話は洋の東西を問わず存在しており、人々に哀愁の念と同時に平和に対する願いを呼び起こします。また、現代では自然との戦いも重要なテーマなので、モデルは防災機能を持ったファッションを纏っています。
また、現代において自然との闘いが重要なテーマとなっていることから、モデルは防災機能を備えたファッションを着用します。